やってしまった。ノートパソコンのBIOS更新に失敗。
この記事は、そこからWindows10のライセンス再認証までのドタバタと知験。

Linux用にPCを手配

Linux用にノートパソコンをジャンクで手配した。税込み送料込み2500円の初代Core i3機。
Windowsなら少し足りず、Linuxならささやかな贅沢ができる、性能にはこんな期待がもてる。

ジャンク品とはいえ問題なくBIOSは起動した。
Windows7のライセンスステッカーも貼ってあったので、せっかくなのでWindows10のライセンス認証は受けておきたい。これはグレーではなく公式に認められている。
まずはHDDの半分のパーティションにWindows10をインストールした。もう半分でLinuxを招くとする。

Windows10のライセンス認証は、無事にデジタルライセンスとなった。
コメント 2019-12-10 143825

以後は、Windows10の再インストールが必要になった際も、ライセンスステッカーは私は参照する必要はなくなる。プロダクトキーもいらない。「プロダクトキーがありません」でデジタルライセンス認証してくれる。
デジタルライセンスはマイクロソフト側で機体の個体を特定し、使用許諾OKフラグでも立てているようだ。この辺は以前から心得があった。


BIOS逝く

少し使ってみると、ファンの音が他の機種と比べ相当うるさい。これも不人気機種の定めか?
CPU負荷がそれほど高くなくても耳障りなほどので、BIOSでも更新してみるかと思い立つ。
BIOS更新でファン制御が改善され穏やかになったとの記事を見たことがあるからだ。
工場出荷から更新されていないので、ダメもとでチャレンジしてみた。他機種だが経験はある。

ところが、この機種ではドボン。やってしまったのだ。
更新中に暴走後、暗黒画面。BIOSすら息を噴き返さない。逝ってしまった。1日にして自分で真のジャンクにしてしまった。しばらく呆然。

さあ、どうするか
①部品取り兼文鎮
②廃棄
③解体の練習機
④BIOSチップ交換
もはや見たくもない。この裏切り者め。


誘惑

後日、何気なくヤフオクを見ていると、この不人気機種の機体の出品は皆無だが、うそだろ?おすすめ欄にマザボだけが表示されている。健康なBIOSがそこにはある。
ノートパソコンのマザボなんて、まるで私の状況を見透かしたかような出品。
喜びよりも怒りを覚える。
送料込みでパソコン自体の値段を超える。あほらし。

ところが、何日経っても落札されないのを見てしまうと、今度は辛抱たまらん状態に。私を待っている。
いやいや、ノートパソコンのマザボなんて動く保証はない。きっと私と同じ目にあった人の悪質出品だ?などと邪悪な妄想をわざと持ち防衛する。

こんなグダグダを経て、新しいマザボに交換が完了した。
この機種のバラし方をネット記事と動画で入念に調べ、外したネジはセロハンテープでその位置に貼りながら全バラ。ネジパズルになるのを防ぐ。作業初体験2時間、これはこれで楽しかった。
内臓ごっそり交換されたノートパソコン、電源オンの瞬間の喜びはジャンク道そのものだった。

再生、そしてBIOS逝く再び?

再生したので、さてOSはどうするか?HDDにインストール済みWindows10はこのまま使えるのか?
確かOSにはハードウェアのシリアル番号も登録されていたな。
マザボを交換したからには相違がでるはずだ。

物は試しとHDDを取り付け電源オン、次の瞬間、あの悪夢の返り討ちにあった。
なんと、ログイン画面などでずにBIOS更新プログラムのつづきが前回落ちたところから走りはじめたではないか。こんなことあるのか。アワワアワワ
恐るべし。2つめのBIOSも破壊されてしまう。何か居るのか?
冗談じゃない。反射的にACアダプダーを引っこ抜く。
電源が落ちない。あ!バッテリー付いてる。
電源ボタン長押し。切れない。
奥義、バッテリー外し。
切れた!

間に合ったのか?

どうやら間に合ったようだ。
HDDを外し電源オン。BIOSの灯火は失われていなかった。
これぞドタバタ劇。2つめのマザボも逝っていたら不幸の極み。
そのときはさすがにこうしていたはずだ。
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ほっ。

Windows10を再インストール

さて、ではこれどうするか。
インストール済みのWindows10は悪魔が潜むのでこのままでは使えない。
再びクリーンインストールすれば、例のデジタルライセンスは消滅するに違いない。デジタルライセンスはマイクロソフト側で機体の個体を特定し、使用許諾OKフラグでも立てているようだからだ。マザボ交換でシリアル番号も変われば、さすがに別の個体として認識されるだろう。プロダクトキーを入力したところで「既に使われています」となるのは目に見えている。
さらばWindows10が普通の予想になる。

恐れるに足りず。BIOSさえあれば、今の私にはLinuxがいる。
ということで、Windows10は再びクリーンインストールし、デジタルライセンスがしかとNGを出すところを見届けてから、気を取り直しLinuxをインストールしようと画策した。

Windows10の再クリーンインストールでは、「プロダクトキーはありません」を選び進める。一度、デジタルライセンスで認証を受けた後はこうするのが作法だ。

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無難に進捗し再起動後、安定するまで小一時間待ち、HDDが静かになったところで例のライセンス認証画面を開く。

あれ?、再び、デジタルライセンスされたではないか。
コメント 2019-12-10 143825

いいの?
念押しでMicrosoftアカウントに行ってみた。
コメント 2020-01-20 150322
確かにこれだ。Microsoftアカウント上でも交換後マザボのシリアル番号で再認識された(黒塗り部)
OSのシステム情報上のシリアル番号と一致する。

「Microsoftアカウントにリンクされた」が要

からくりの記事を見つけた。

どうやらデジタルライセンスにも種類があるようで、Microsoftアカウントでセットアップし、一度、「Microsoftアカウントにリンクされた」と枕詞のついたデジタルライセンスとなった場合は、その後のある程度のハードウェアの変更は許容してくれるようである。
今回の場合、マザボ交換というパソコンとしてはほぼ全とっかえにもかかわらずだ。
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原点に戻ると、ノートパソコンは1つ。ライセンスも1つ。使う私も一人。
マザボを使うのではなく、1つのパソコンという物をOSを通じて私一人が使うのだ。マザボは単なる内臓だ。ノートパソコンであれば画面やキーボードが付いた実態と人の組み合わせで許諾していただけるのは理に適っている。
OSソフトの所有権でなく、「そのパソコンなら」「自分は」Windowsを使えるとのニュアンスの権利になるのだと察する。
ただし、この意味においては、Windowsのインストール先が外付けドライブだとしたら、また話は複雑になるのだろうが。

知験

今回は、BIOS更新失敗前に、Microsoftアカウントでセットアップしてあったので助かった。
単なるデジタルライセンスのみであったなら、あるいはさらばWindows10であったかもしれない。
究極のOSバックアップはMicrosoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスとしておくことだと知験を得た。

それから

ということは、一度、Microsoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスとなった場合は、Windowsをインストールしておかなくともよいということになる。
少なくともMicrosoftアカウントのホームページでこのノートパソコンの登録が見えている限りは。

今は当初の入手目的であるLinux用として、いろいろなディストリビューションを試すマルチブート専用機になっている。基本パーティションは4つまでだ。Windowsはパーティションが2つ,3つ取られるのでインストールせず、デジタルライセンスを預けた状態でいる。有効期限があるのかは不明。

まるで人生ドラマ。