Linux Mint 20.3 がダウンロードできるようになった、とomg!ubuntuがフライングアナウンス
公式には全てのダウンロードミラーサーバーに行き渡ってからのアナウンスになるようだ。

相変わらずUbuntu系にしては軽めに仕上がっている。
私のいにしえなPCではそれがよくわかる。たとえフラッグシップのデスクトップ環境Cinnamonでも。
Linux Mint はなぜ軽いのか?

軽い、とはディスク専有やメモリー専有ではなく、ここでは「プチフリーズのようなちょっとした引っ掛かりに滅多に遭遇しない」という意味。
もはやAndroid より軽いと感じる。
以下、Windows10やUbuntu等との比較において、その要素私感。

OSベンダー登録アカウントがない
ローカル内では複数ユーザーが1つのOSを使う前提として「ユーザー」アカウントは複数設定できる。
でも、OSベンダーへのアカウント登録制度など無く、OS個人設定の同期やOS使用状況送信などのバックグラウンド処理がない。
その分、OSインストールし直しのときは、以前のOS設定に戻すのは手作業の根性が要る。

ファイルシステムのフォーマットがext4
もはや枯れた旧式ext4だが、余分な機能なし。「枯れた」とは廃れた、ではなくもちろん確定安定として。
SSDのTrimはデフォルトの週一で確実に実行されこれで十分な印象。
最近ではデフォルトはBtrfsフォーマットを採用するディストリビューションも散見されるが、家庭利用では余分で、起動の遅さとバーターになる感じ。Btrfsはスナップショットをとるのが要因かしら。

ファイル検索用インデックスがCUI用
WindowsやUbuntuではこれが気になる。
Ubuntu(Gnome)ではtrackerというインデックス
ファイルマネージャーnautilusでのファイル検索時のみならず、Gnome同梱のGUIアプリも参照する用途でも使われるインデックスの模様。
インデックス更新のバックグラウンド動作時はHDDでは流石にきつい。HDDで必要な機能なはずなのに。

Linux Mint で採用されているインデックスは端末CUI検索向けの小さなインデックスシステムmlocate。GUIファイルマネージャーnemoでは使われていない感じ。家庭利用では端末CUIファイル検索自体あまりやらないからこれで十分。
スクリーンショット 2022-01-03 09-12-45
CUIのUbuntu(server)でもインデックスはtrackerでなくmlocateの模様。

定例ウィルスチェックなし
Windows10ではコールドスタート後、ウィルスチェックでディスクを舐めていることが多い。結果が通知されるアレ。
Linux では必要性を感じない。
その代わりにブラウザはFirefoxに拘っておけばいい。

バックグラウンド通信が(たぶん)ない
Windows10はバックグラウンド通信だらけ、Ubuntuはエラー発生時にレポート通信を要求する。

Linux Mint はエラー発生時でもディストリビューターへのレポート通信など要求しない。エラー情報を送ってなんの利点がある?との割り切り方。
そもそもプライベート情報の通信はLM側が御免被るとのこと。

パッケージアップデートの方法が単純明快
Windows10やUbuntuはアップデート処理の発動タイミングがユーザーに不明確。
発動後はバックグラウンドで何やらモゾモゾ。(HWスペックが良ければ気にならないのだろうが)
Linux Mint は起動後キッカリ10分で自動apt update、その後のapt upgradeは手動起動で明快。
スクリーンショット 2021-12-28 16-11-00

Snapdを使わない
Ubuntu謹製Snapパッケージはリポジトリが重いため、ソフトウェアストアーが重い。
公式フレーバーもUbuntuの方針には従わなければならないし。
Linux Mint はSnapパッケージはデフォルトで非対応。ソフトウェアストアーは軽々。
FlatHubリポジトリは参照されている。
スクリーンショット 2021-12-28 16-09-17

デスクトップ環境が旧式Gnomeベース
Linux Mint 謹製デスクトップ環境Cinnamonは、旧式Gnome 3ベース。
Gnome4より古くGnome2より新しい...当然の事を言っているが、中庸に利点あり?


でも、ログイン画面はLightDM
デスクトップ環境CinnamonはGnomeベースでも、ログイン画面のディスプレイマネージャーはGnomeDMではなく、軽量LightDMを採用している。
スクリーンショット 2022-01-12 12-24-53

アニメーション効果の節度
Linux Mint 20.3 のデスクトップ環境Cinnamon ver.5.2では、流行に反して、選べるアニメーション効果の種類を減らしてきた。
汝、面白アニメーションで釣られることなかれ、と諭されている感じ。


同梱アプリ群が軽機能
同梱のLinux Mint 謹製アプリは「Xアプリ」群と総称されているが、どれも機能控えめに抑えられている。UIデザインも凡庸で潔いセンス。

謹製ではない同梱アプリも重いメジャー級は避けて、比較的軽機能なものが選ばれている。
もしそれが満足できない場合はストアーからGimpやInkscape,VLCなど玄人志向高機能なものを自分で入れてくれ、とのスタンスのようだ。


ウィンドウシステムX11への固執
Waylandへの移行は、それが十分枯れはじめてからになるか?

各モジュールのプロジェクトが勝手にイケイケドンドンにならない
Linux Mint は今だ発起人が、オーケストラを指揮するように全体を運営している。
これは独裁の利点。
不利点はプロジェクト継承の段階で現れるのかもしれない。


基本設計は枯れたシステム、でもそれがUbuntu とDebian のいいとこ取りの軽さの秘密
繰り返し、軽い、とはディスク専有やメモリー専有ではなく、ここでは「プチフリーズのようなちょっとした引っ掛かりに滅多に遭遇しない」という意味。

これほどの品質、家庭用としてホントWindows無用ですな。