HDDに空きがあるので、ZORIN OS 15 CORE 64bit をインストールしてみた。
“ZORIN”、とはロシア系の名字だそうだ。
以下、あーだこーだのインプレ。

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現在、ご年配向け設定は、Linux Mint 19.2 xfce 64bit で設定中なので、
Zorinでも同じデスクトップ環境xfceのLite版と迷ったが、見聞広めるべくCORE版にしてみた。
CORE版のデスクトップ環境は安心安定のGNOMEとのこと。ベースになっている純正Ubuntu 18.04Ltsそのまま。
GNOMEは標準ではxfceほど瞬発性はないのにアニメーション効果はそれほど目立たない。いっそのことオフにしてしまったほうが明らかに気持ちよく動く。

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見た目は
標準では、Linux Mint と同じくWindowsのように仮装してある。
まずは、システムフォントの見やすさ。Windows より断然見やすいのが全般Linux のいいところ。
フォントの間隔やアイコンの大きさ、デザインも丁寧に調整してある印象で、Windows7の挙動のメニューなど広くてとても見やすい。
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補足説明的なコメント表示や余計なアイコンもあまり見かけず、雑多な印象を与えない。奇妙な翻訳も見かけない。
ウインドウ右上の「×」ボタンなんかも標準で大きめ。タッチパッドでも狙いやすい。
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UIの見やすさ、使いやすさはGNOMEの特筆事だが、ZORINにもセンスのいいUIデザイナーがいそうな印象。
最初の壁紙は雲海。モダンなOSの顔としてはじめはなぜこれなのか?と感じたものだが、見慣れるととても気にいってきた。心理に影響するマジックでも仕掛けてあるのか?
きれいな壁紙はもちろん他にも入っている。

Zorin独自の機能は
「Zorin Appearance」という外観テーマをまとめて変更するもの(gnome-tweaksの簡易版)と、「Zorin Connect」というAndroidとの連携アプリだそうだ。
それ以外はプリインのアプリや設定画面などは純正Ubuntu 18.04Ltsと同じ構成のようで、Linux Mint よりベースの純正Ubuntuが随所に垣間見える。GNOMEの拡張機能でZORINの個性を出すが、デスクトップ環境自体を独自につくるつもりはないようだ。
純正Ubuntu でも同様にGNOME拡張機能でWindows 似にはできるのだろうが、Ubuntu + GNOMEブランド + Windows7似メニューの最強トリオを手間なく使い始められるところがよいのだろう。
逆に言うと、本家純正Ubuntuの方が今後のアップグレードでアクをとったWindows寄りにでもしてきたら、ほとんどUbuntuなだけにZORINの立場は薄れてくることになる。ZORIN社の経営課題に違いない。
ユーザーとしては本末転倒だが、とっつきやすいZorinを触っておけば本家純正Ubuntuの設定画面などは操作に迷わない。

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LinuxOSのインストール直後に行う設定として定番は、
①日本語表示、②日本語入力、③言語パッケージの不足解消、④ソフトウエアソースを日本に、だが③以外は自動化されていた。③もなんならやらなくとも大きな支障はないので、面倒な設定不要とも言い切れる。
欲を言えば②について、Mozc はプリインだが、Mozc 設定ツール(mozc-utils-gui)も同梱されていれば完璧だったんだが、さすがにこのローカルな設定ツールは後入れになる。

③については、インストールされていた言語は多すぎでヨーロッパ各国の言語やアラビア語などもプリイン状態。
私は少し軽くなればと思い英語と日本語以外は削除してみた。効果があるかはわからない。
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プリインアプリについては、
純正Ubuntu 18.04Ltsのリポジトリでなく、ZORIN独自PPAから提供しているものが見られる。
LibreOfficeなどは純正Ubuntu 18.04Ltsのリポジトリからだとかなり古いバージョンになってしまうので、できるだけ最新のものをZORIN独自PPAから同梱する工夫がされているようだ。リリースノートではこれも売りにしているが、こんな大物のメンテもCanonical社側任せでなくZORIN社側でやる覚悟か?
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ZORIN独自PPAもずらりと並ぶ。
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また、動画編集アプリがプレインストールされているのはLinux ディストリビューションでは珍しい。pitivi
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カスタマイズ性は
デスクトップ環境に依るようで、GNOMEよりxfceのほうが標準でいろいろ設定できるようだ。Zorinでもデスクトップ環境xfceのLite版のほうが細かく設定できるのだろう。

メモリー使用は
Windows10並とは言わないが、軽量Linuxとは言えない。純正Ubuntuと同等レベルだ。起動直後で1.5GB使われているので少なくとも3GBないとブラウザでのネット閲覧ですぐにスワップが発生する。ブラウザとLibreOfficeのマルチタスクだと4GBでもスワップする。
できれば、4+1の5GBほしい。メモリーが少し余裕あるPCであれば、軽量Linuxより安心安定のGNOMEブランドだ。どの道Windowsよりは軽いのだから。
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総じて、これはいい。
純正GNOMEを使ったWindows風UI、本家ubuntuのアクをとった感じで評判どおり一番とっつきやすい。LinuxOSの象徴「端末」のアイコンなど隠してあるのかと思うほど目に着かない。おまけに「端末」を開いても背景が白だったりして、まるでマニアな触感を避けているようだ。
私にとっては身の丈にあったLinuxで常用する気になれる操作感
サポート期限は本家Ubuntu18.04LTSの2023年4月まで。ご年配向けLinuxとして一軍登録としよう。

不安点は
開発元の体制がよく見えないことだ。
Linux Mintだと月一定例でブログが更新され活動状況がアナウンスされる。マイナーなアップデートも計画的だ。
Zorinの公式ホームページは商用OSのようなクオリティーだが、ブログ更新は気が向いたとき感あり。登録しているニュースレターも滅多に来ない。
過去一時期、バージョンアップも止まったようだ。Coming Soon が永遠長い。
メンテや開発が計画的に進まない印象をもってしまうのだ。がっつりやったら長く休むタイプの人達か。それともこれは日本人気質の勝手な期待か?
Zorinは米国防総省やNASAもユーザーとのコメントある記事があったが、これは信じがたい。Linuxの間違えだろう。
小市民ユーザーの一軍OS候補として、今後も信頼できる開発元なのか判断材料がほしい。





後日追記

ログ溜まり、特にいじってはいないが大きさはこんなもんなんでしょうか?
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起動直後の重要ログ
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後日追記

ZORIN OS 15 Lite版の方も最軽量となる32bitで試してみた。
デスクトップ環境がxfceだ。

んー、不安定。
インストール直後の再起動で壁紙が一瞬Zorinのものを見せた後、すぐにxfceのものに切り替わる。
この挙動はLInuxMint xfce 32bitでも遭遇したことがあり、Mintはインストールやり直し後の再起動は正常だった。Zorinは3回やり直したが全て同じ結果、すぐにxfceのものに切り替わる。
Zorinの壁紙は入っているので変更できるが、この挙動はインストール失敗を連想してしまう。

設定画面にZorin 15の独自の機能「Zorin Appearance」のアイコンがあるが起動しない。
xfceの多彩な設定があるからか。これでは単なるXubuntu32bitじゃないか。
スリープからの復帰も怪しい挙動あり。

ZORIN OS 15 CORE と比べ出来が随分と…
Liteには64bitもあるがどうなんでしょうか。もはや最軽量版32bitは手抜きなのか?
それともこれまた日本人気質の勝手な期待で、欧州では初期ロットはこの程度でOKなのかしら?

後日追記

ZORIN OSを立ち上げた方のインタビュー記事を見つけた。
顔が見えると単純いくらか安心するものだ。
今では企業法人のようだ。デバイスの販売店と提携しプリインOSとしての提供もしている。


だから逆にLinux Mintのようなコニュニティ的な情報発信ではなく、カンパニーとして節度あるプレスリリースにしているのか?といいように取っておく。Linuxディストリビューションは提供元がコミュニティだったり、企業だったりで、利用させてもらっているユーザーとしては期待できる事は微妙に違ってくるのですな。

それにしても、この ZORIN も Linux Mint も発祥国はアイルランドとのこと。
Linuxディストリビューション人気のバロメーターであるDistroWatchサイトで両方ともトップテン内にある。
あまり馴染みない国だが、IT関連は税制特例措置があるようで進んでいそうだ。
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出典 DistroWatch

後日追記

知らないうちにポイントリリースが入っていたようだ。
バージョンが15. に上がっていた。
メンテもするのですね。
ならばブログ更新したりニュースレター配信をして信頼性をPRすればいいものを。
(後日2019/12/13ニュースレターを受信した。たとえ事後でもそうこなくては。)
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15. に関する記事を見つけた。
ユーザー数調査のため、pingを打っていた事実に15. で拒否できるようにすると読めるが、この程度はどのディストリビューションでもやっていることだろうに。私は許容する。
実際、15.のインストール画面では拒否できる設定があった。インストール後はどこにあるかは不明。


後日追記


後日追記
gnome-tweaksをインストールしてみると、拡張機能にはZORIN関連がずらりと見える。
これによってUbuntu(GNOME)をカスタマイズしてZORINに成っているのですな。
有名なDash to Panel を後入れせずに、はじめからWindows風UIを使える手軽さに。
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後日追記
ZORINのホームページのHELPはとてもわかりやすい。


後日追記
パネルが気に入った。
普通、タスクバーを隠す設定はアプリが(最大化でなく)全画面モードだと、「賢く隠す」設定でも隠れたままになってしまうが、
ZORIN OS 15 COREの場合、全画面モードでもカーソルを画面下辺にあてると逆に表示してくれる。更に賢い。
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後日追記
ポイントリリースが入った。
Screenshot from 2020-02-27 11-12-18
ZORINはもともと純正ubuntuと同様にヘビー級だが、気のせいか少し俊敏になった気がする。
また、GINPについて、ZORINはUnuntu 18.04LTSのリポジトリからでなく、ZORIN独自PPAから配布することでできるだけ最新版を同梱する努力をしているが、ゆえに日本語訳が充てられていなかった。
15.2ではこれも解決し、メニュー表示など日本語で表示されるに至る。
全体的に完成度が上がってきた。

参考







高齢者 Linux






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